立ちくらみとか疲れとかだと、「鉄不足かな~」「貧血かな~」なんて思いますよね。
でも肌荒れとか、ストレス、うつ、こむら返りなどの原因も鉄不足が原因の場合もあるってこと知っていましたか。
最近は老若男女、鉄不足の人が増えているそうです。
しかも自分では自覚のない、隠れ鉄不足や隠れ貧血ってやつです。
実は隠れ鉄不足は現代女性に増えている症状の一つでもあります。
私は大丈夫!
ちゃんと検診受けているから!
そこが隠れ鉄不足の落とし穴なんです。
いつもの血液検査で異常なしだと結果が出ているのに、じつは鉄が不足している状態なんです。
いつも疲れが取れない、肌が荒れている、元気が出ないなど多くの体調不良が出ているならあなたも隠れ鉄不足の可能性大です。
今すぐ自己チェックしてみましょう。
鉄不足の症状と危険性
こんな症状があれば要注意
・疲れやすい
・寝起きが悪い
・寝付きにくい
・体調の悪い日が多い
・風邪をひきやすい
・むくみがある
・便秘や下痢
・食欲不振
・吐き気がする
・動悸、息切れ
・胸が痛む
・頭痛、頭重
・冷え性
・月経の異常
・神経過敏
・注意力低下、イライラ
・髪が抜けやすい
・歯茎の出血
・アザが良くできる
・湿疹ができやすい
・顔色が悪い
・のどの不快感
・立ちくらみ、めまい、耳鳴り
・肩こり、腰痛、背中の痛み
なぜ起こる?隠れ鉄不足
隠れ鉄不足は貧血の血液検査をしてもわかりません。
通常の血液検査では、赤血球、ヘモグ ロビンの値をはかることが多いのですが、この項目さえ基準値内であれば貧血ではないと判断されます。ですが、貧血の正しい判定には「フェリチン」を 検査することが必要なんです。
ちなみに、内科や婦人科などで、赤血球、ヘモグ ロビンの値は正常のようですが、「貧血気味なので、血清フェリチン値を調べてください」などというかたちで受診すれば、保険適用で調べることができるようです。気になる場合は近くの病院に問い合わせて調べてみるといいですね。
フェリチンは、体内に吸収された鉄分を、体の中のさまざまな場所で貯蔵する役目をしています。
フェリチンの鉄が不足していると、体中で様々な不調が現れます。
- 肌が荒れていても新しい細胞になかなか入れ替わらない
- 病原菌から体を守る免疫細胞の数が減ってしまう、
- 脳の働きに欠かせないセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が不足する
このような状態となり体調不良を引き起こす原因となります。
フェリチン不足にならないために簡単にできること
ダイエット中の方や、食事による栄養補給が不十分なのに最近ブームの ランニングなどで運動しすぎの方などなど、今では、隠れ貧血になる理由は様々となっています。ですから、自分で意識して鉄を補うことも必要となります。
しっかり睡眠をとる
摂取された鉄分は、眠っている間に消化吸収され、小腸粘膜、脾臓、肝臓、骨髄に蓄えられるので睡眠不足だと機能が上手く作動しませんのである程度の睡眠は確保しましょう。
サプリメントなどの活用で鉄分を補う
通常の食事で鉄が補えないのでしたら、サプリメントとして少し多いくらいの鉄を摂取するのも有効です。鉄は不要な分は尿として排出されますので余分に摂取しても大丈夫です。おすすめは、副作用がなく、吸収率のよい「ヘム鉄」です。
ビタミンCを積極的に摂る
鉄分は食べても吸収されにくいという特徴もありますので、鉄分豊富な野菜・海藻類を食べるとき、一緒に、レモンなどでビタミンCを積極的にとると鉄が、体内で吸収されやすい状態に変わります。
飲み物に注意する
注意したいのはタンニンの多い緑茶やコーヒー、紅茶です。これらには、タンニンは鉄分の吸収を妨げますので食後すぐに飲むのを避けたり、麦茶やハーブティーなども活用していくといいですね。ただ、お茶も紅茶もコーヒーもそれぞれいい効能も分かっていますので、飲まないのではなく、飲む時間を考慮しましょう。
妊娠中の貧血の危険性
妊婦はお腹の赤ちゃんの分も鉄が必要となりますので貧血になりやすいです。妊婦検診では定期的に検査して貧血だと薬の処方をしてもらえますが、自分でも意識して鉄分の摂取をする必要があります。
妊婦の貧血が悪化すると、お腹の赤ちゃんにも影響がでてきてしまいます。
発育に遅れがでたり、未熟児になる場合もあるので、妊娠中の貧血は早めの対策が必要となります。
ですが、産婦人科で処方する貧血の薬は、”便秘になりやすい””胃がむかむかする””気持ち悪くなる”ばどの症状が出やすいので飲まずに貧血を放置する人もいるんだとか・・・。
そのまま放置するのはかなり危険で、お腹の赤ちゃんに十分な栄養を送るための血液が少ない状態になりますし、また出産時に起きる出血への対応が厳しくなりお産そのものがトラブルとなる場合もあります。
また、出産時だけでなく産後の回復が遅れたり、母乳の出が悪くなることもあります。
妊娠・出産でトラブルが起こり、出産後も毎日、寝かせてくれない赤ちゃんのお世話が更に大変となります。
処方された薬が無理なら、直接鉄を注射で補給する方法などもありますので、妊娠中の貧血はしっかり対処していきましょう。
妊婦さんはカフェインはダメだと言われ、お茶やコーヒーを控えますが、タンニンも鉄の吸収を妨げるので食事のあとは麦茶やハーブティーにしてもいいですね。
そして鉄分接種のため、妊婦さんが注意する点としてレバーの食べすぎです。
レバーには鉄分が多く含まれていますがビタミンAも多く含まれる食材です。ビタミンAを摂り過ぎるとお腹の赤ちゃんに害がでることがあるので、毎日レバーを食べるのは止めましょう。食べるとしたら週一が目安となります。
鉄不足で起こる病気
鉄欠乏性貧血
「鉄欠乏性貧血」とは体内の鉄分が不足するためにおこる貧血です。
鉄分が不足してくるとヘモグロビンをうまく作ることができなくなり、赤血球中のヘモグロビン量が減ってしまいます。ヘモグロビンが減少すると全身の組織や臓器が酸素不足になり、はたらきが低下してしまいます。圧倒的に女性に多くおこる貧血ですが、治療すれば確実に治る病気でもあります。
鉄欠乏性貧血の症状
- 倦怠感・疲れやすさ
- 頭痛、めまい、立ちくらみ
- 動悸、息切れ
- 肩こり
- 髪の異変
不妊症・生理不順
不妊に悩む女性の中にも鉄分不足を指摘されるかたは多くいるといいます。
鉄分の不足は黄体ホルモンの分泌を低下させます。そのため、排卵障害が起きたり、子宮内膜の状態が悪いことから着床の失敗が起きるなどの状態となり、なかなか妊娠に至らないとも言われています。鉄は妊娠する為に必須のミネラルとなります。
また、鉄不足ですが、軽い場合でも生理不順、重くなってくると不妊や流産の原因とも言われていますので、女性全般に何らかの影響がでることになります。
体にカビが生える
体内の白血球は人間の体に付着したカビが増殖しないように抑える働きがありますが、鉄分が不足すると白血球の生成にも影響が出てきます。
鉄分が不足することで、白血球が作られなくなり、カビが増殖する危険性が増えます。カビが増殖すると、病原体への攻撃力が低下するためインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなりますし、カビが体の深部までに入り込むと肺炎等にもかかりやすくなってしまいます。
ドーパミン不足になる
ドーパミンは鉄分から作られた後に正常に機能するので、生成に鉄分が必要になります。当然、鉄分が不足するとドーパミンがうまく機能しないことになります。
ドーパミンの不足になる大きな病気は、むずむず脚症候群・パーキンソン病・うつ病・依存症があげられます。
特に軽症の鉄不足では、むずむず脚症候群が起こりやすいと言います。悩まされている人は130万以上だと言われています。。むずむず脚症候群の原因も鉄不足だと言われているんです。
夕方や夜になると、自然とムズムズしてきます。就寝時間に治まればいいんですが、治まらないと夜も眠れないんですよね。そのため、むずむず脚症候群が原因で寝不足、もしくは睡眠障害になってしまうこともあります。
パーキンソン病・うつ病・依存症は皆さんご存知のように恐ろしい病気です。重度の鉄不足が原因だと言われています。
手足にムカデが這っている幻覚
鉄分が長期に渡り不足する事で、神経伝達信号を正確にやり取りする事ができなくなります。そのため、虫が手足を這う感覚、触れられていないのに誰かに触られていると感じてしまう幻覚などが起こり始めます。特に虫が這うのは、ムカデが這う感覚が多いといます。
この症状は夜中に起こることが多く、睡眠障害に繋がり、うつ病を発症するケースまであるようです。
起こりやすいのは妊娠中の女性や、受験勉強等で寝不足になった中高生など比較的、若い女性等が発症しやすいと言われています。
隠れ貧血・隠れ鉄不足はは美容とも関係が深い
顔色が悪い、クマができやすい、慢性的な乾燥肌という女性の悩みは、貧血が原因になっている場合もあります。
鉄はコラーゲン生成にも関わっているので、鉄不足になることで肌はハリがなくシワシワ肌に、髪もパサパサしてきて、爪ももろくなり・・・・というような症状が出てきます。
中でも、さじ状爪といって爪の真ん中が凹んで先の部分が剃っている爪の状態にはなりやすいといいます。自分でもはっきりわかる症状ですのでこんな爪状態だったら、鉄不足だということになります。
そして鉄分不足は、髪のパサつきや抜け毛・薄毛などの毛髪トラブルの原因の一つとされています。
こちらも他の症状と同様に鉄不足でヘモグロビンが減少することで、頭皮や毛根に酸素が行き届かなくなりパサついたり抜けたりの原因となります。
ただ、頭髪の場合厄介なのは、鉄不足が改善されても抜け毛や薄毛が簡単に改善されるわけではないという事です。気づいた時にはもう遅い状態だと言います。
貧血女子必見の賢い鉄の摂り方
鉄分を多く含む食材
●動物性食品
レバー、シジミ、ワカサギ、牛肉の赤身、魚の血合い、イワシ、牡蠣、うなぎ、卵など
●植物性食品
ホウレンソウ、パセリ、ヒジキ、れんこん、はちみつ、もやし、小松菜、高野豆腐、わかめ、ゴマ、海苔、大豆など
鉄と言えばレバーやひじきというイメージですが以外に野菜にも多く含まれています。
野菜に含まれる鉄の特徴として体内に吸収されにくいのですがビタミンCと一緒に食べることで鉄が吸収されやすくなります。
ほうれん草、ぱせり、もやし、れんこんは鉄分もビタミンCも含む野菜ですのでおすすめです。鉄分の吸収と考えると難しく考えすぎてしまいますが、手頃な野菜でも十分補えることがわかりました。
また、魚や肉の鉄分はヘム鉄となりますので、より体内に吸収されやすい鉄となります。
鉄分の多い食材で食事を作っても、タンニンの多いお茶や紅茶・コーヒーと一緒には食べないようにしましょう。また、、食物繊維とも相性が悪いので食物繊維の食べすぎには注意しましょう。
規定量の鉄を摂取しても、タンニン鉄になってしまったり、食物繊維に包まれてしまっては摂取した意味がありませんので食べ合わせは考える必要があります。
まとめ
鉄は体内に必要なミネラルだとわかっていても、これほど体内への影響が大きいとは想像していない人が多いのではないでしょうか?
鉄を意識して摂取するのは妊婦さんだと思っていましたが、女性でも男性でも間違いでした。鉄が含まれる食材を知り、毎日同じものを食べるのではなく、食事として上手に組み合わせることも大事ですね。特に女性は美意識が高いので、取り返しの使いない状態にならないように毎日、程々に摂取していきたいですね。
鉄以外にも体内には必要な栄養素が多くあります。鉄ばかりを摂取するという偏りの無いようにどんな食材が健康にいいのか知っておくといいですね。